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最近のジャンプ漫画で最も面白かったのがデスノートです。

デスノート
原作:大場つぐみ、
漫画:小畑健
発行所:集英社

デスノートは、映画化され、今度はアニメ化されるほどの大ヒット作品です。
また、12巻までのデスノートの累計発行部数が2,000万部を突破するほどの人気があります。
それらの人気に違わぬ面白さがデスノートにはあります。

デスノートの特徴となる設定は、
「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」
というただこの一点にあります。

このような人を殺せるデスノートを、リュークという死神が人間界に落とし、主人公の夜神月(やがみ ライト)がデスノートを拾います。

夜神月は、ずば抜けた知能を持つ人物で、学校の成績は常に一位で、デスノートを拾った当時は高校生でしたが、後に東大にトップで合格するほどの非常に優秀な人物です。また、折り紙つきの優等生でもあります。

それで夜神月は、犯罪者は悪であり、その罪によっては殺してしまっても全く構わないという己の中の正義感に基づいて、このデスノートを使用して問答無用に自己の勝手な判断基準で犯罪者を裁くようになります。

どこかでよく聞いた話ですよね。正義という名の下に戦争をして、大量に人を殺しているどこかの国と同じ論理、理屈そのものです。正義の名の下に、人を殺すのが果たして正義だといえるのかどうかです。やっていることは、悪人と何ら変わらないのに、悪人を殺すは正義で、善人や普通の人を殺すは悪だという。

とにもかくにも、主人公の夜神月は、悪人をデスノートを使用して裁判も何もなしに自己の勝手な判断基準で犯罪者を裁く自分は正義であると信じて疑わず、正義という名のもとにデスノートを使用することにします。

それで夜神月は、デスノートを使用して犯罪者のいない理想の新世界を作り、その新世界の神になることを誓います。

その犯罪者のいない理想の新世界を作り出すために、夜神月は世界中の犯罪者の名前を次々とデスノートに書き込んで殺していきます。そのため、何者かの存在が犯罪者を殺していると気付いた大衆は、殺し屋=Killer の意味から、その存在を「キラ(KIRA)」(デスノートを使用して殺す者のこと)と呼び始めるようになります。

デスノートを使用して次々と犯罪者を裁く夜神月に対して、さすがに犯罪者が次々と全く同じ心臓マヒという形で不審な死に方をしている現状から、何者かがどういう方法によってかわからないが、犯罪者を殺しているという見解にICPOもいたります。

キラ(デスノートを使用して殺す者)の存在を察したICPOは、手がけた事件は必ず解決に導くとされる「L(エル)」と呼ばれる世界最高の探偵にキラ(デスノートを使用して殺す者)事件の調査を依頼。 Lは、全世界の警察を掌握できる唯一の存在であり、その本名はおろか、居場所も顔も一切謎に包まれています。ただその実力は、世界NO1の実力であり、数々の難解な事件を解決に導いており、しかも手がけた事件は必ず解決に導くという凄腕の探偵です。

この世界最高の実力を持つ探偵のLが、キラ(デスノートを使用して殺す者)事件の捜査に乗り出しキラ(デスノートを使用して殺す者)こと夜神月を逮捕しようと動き出します。

かたや、夜神月は自分こそが犯罪者を裁く正義だと言い、対してLはキラこと夜神月を犯罪者であり悪だと言う。ここに、Lはキラ(デスノートを使用して殺す者)を逮捕するべく行動し、キラ(デスノートを使用して殺す者)こと夜神月はLを殺すべく行動します。

デスノートの物語は、この世界最高の実力を持ち全世界の警察を掌握できる探偵のLと、超常的な力があるデスノートと類まれなる知能を持つ夜神月との、高い知能を持った二人の裏の裏の裏を読むような壮絶な知的バトル、駆け引きが魅力の作品です。

このデスノートは、多くの週間少年ジャンプ作品の中でも異色なのが、主人公が犯罪者であり悪だということです。

しかし、一方で、超常的な力であれ何であれ、主人公の夜神月が自分こそが正義だという言い分として、犯罪者をスピーディに問答無用に裁き、世の中から犯罪 者を大幅に減少させることに成功したのならば、結果として多くの人にとって望ましい世界であり、その望ましい世界の秩序を乱す存在の方がむしろ悪とは言え まいかというアンチテーゼ的なものを提供しています。

そして、犯罪者のいない理想的な世界を作り上げられたのならば、そのような理想的な世界を作り上げた夜神月こそが絶対正義であり、”神”であると言えないだろうか?ということなのだと思います。

さて、人を殺せるという超常的な力があるデスノートを持つキラ(デスノートを使用して殺す者)こと夜神月と、全世界の警察を掌握できる探偵のLとの対決はどちらに軍配が上がっただろうか?
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