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横山光輝氏の漫画の三国志は、吉川英治氏の小説の三国志の漫画版です。

三国志
著者:横山光輝
原作:吉川英治
発行所:潮出版社

三国志というのは、中国における西暦180年から260年ぐらいまでの間の、中国の漢帝国末期から、魏、呉、蜀という三国のそれぞれが中国の正統王朝として争った時代の歴史書を指します。

小説や漫画で描かれている三国志というのは、中国の明代の羅貫中がまとめた小説の三国演義を主に元として描かれています。

小説であるが故に、実際とは違い荒唐無稽な部分をふんだんに取り入れられており、それがまた非常に秀逸なもので中国や日本でもよく読まれる小説となっています。

日本で三国志の小説といえば、吉川英治氏の三国志が最も有名です。
その
吉川英治の三国志を元にして作られたのが、横山光輝氏の漫画の三国志です。

今や三国志と言えば、若者の間ではこの横山光輝氏の三国志が日本では有名ではないでしょうか。

相当以前に書かれた漫画作品であるため、最近の漫画の絵と比較すると、絵が古いと感じるかもしれませんが読み始めるとそのようなことは全く気にならなくなります。

むしろ、
横山光輝氏の描く三国志というのは、戦闘部分までしっかりと描写されておりかつ、個々のキャラクターをたくみに描写されておりますので、非常にすらすらと読んでいくことができます。

横山氏の三国志は、蜀を興した劉備を主人公としており、魏を興した曹操を敵として主に描かれております。呉を興した孫権はどちらかというと、中立派のように描かれています。

実際の三国時代はどうだったかというと、中国の正当王朝としてはむしろ曹操の魏を正統としており、また、実際の三国時代の主役は曹操だといえ、この曹操が三国時代の先頭に立って、いろいろ行動し活躍しています。

では蜀の劉備はどうだったかというと、三国時代の前半は曹操に追われて逃げてばっかりで、天才軍師諸葛亮孔明を軍師に迎えてからしっかりとした戦略を練り、やっとまともに領土を持って曹操とも互角に戦えるようになりました。そして、蜀を興すことができました。

呉の孫権は、兄の孫策は非常に行動派で活発に動いて呉の元となる領土を得て、実質呉の国を興したのはこの兄の孫策であるのですが、その兄の孫策が死んで弟の孫権が国を受け継いで呉を興します。
この孫権という人物は主に内政を得意としているため、あまり戦争を好む人物ではありません。
したがって、三国時代もっぱら内政に努めて、魏と蜀の争いを半ば傍観していたような感じでしたので、三国志の中でも若干存在感が薄いです。

では何故、劉備が主人公なのかというと、性格的にいって曹操は仲間とつるんで強盗やらの犯罪をよく犯していたり、時に冷酷な人物だったりするので民衆受けがよくなかった。

対して劉備は、漢帝国の皇帝の血筋であると述べて(実際、本当に漢帝国の皇帝の血筋であるかどうかは怪しい)、漢帝国の復興を大義名分として掲げています。
また、性格も礼節をよく知り、温厚で人柄が良く誰からも好かれる人物だったので民衆受けが良いのです。

そのため三国志では劉備が主人公として扱われることが多くなっております。

三国志の約4分の1は、三国志随一の奸智に長けた曹操と、三国志随一の武力を持つ呂布との攻防がメインとなる内容です。

よくも悪くも圧倒的な武力を持っている
呂布は、ひとたび戦場に立てば血の雨が降るほどの三国志一の豪傑で、1対1では誰も敵う相手がいません。

対して、三国志一奸智に長けて、かの有名な戦略戦術書の孫子の兵法書を熟読し、戦争に滅法強い曹操と呂布の対決が非常に面白い部分です。

三国志の中盤あたりから、諸葛亮孔明が登場して、三国志一の最も大きな戦いである赤壁の戦いが行われます。

赤壁の戦いは、劉備と孫権が同盟を結んで共同で曹操と戦う内容です。
この赤壁の戦い次第で、三国志という三国の時代が到来するか到来しないかが決まってきたというぐらい、三国志上最も重要な戦いです。

この戦いの後、劉備の躍進が続き蜀を攻め取って蜀を興すまでになります。
このあたりは、軍師に諸葛亮孔明を迎えたための躍進だと思われます。

三国志の後半は、劉備が亡くなり後を託された諸葛亮孔明と、曹操亡き後の魏の最高の智謀の士である
司馬懿との、智謀のかぎりを尽くした戦いがメインとなります。

この
諸葛亮孔明の、頼りになる武将がほとんどいない状況下で、智謀のかぎりを尽くした奮闘ぶりには素晴らしいものがあります。

三国志自体が非常に面白い歴史書なので、この横山光輝氏の三国志の漫画も非常に面白いものだと思います。
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